イラストレーション・データの作成方法と保存形式

投稿者: | 2021年6月4日

■ このページの目次

Adobe Photoshop 、または Adobe Illustrator のいずれかのソフトで保存してください。

印刷物のお仕事実績からのデータ作成

Webのお仕事実績からのデータ作成

アナログ作品のデータ作成方法

すべての保存形式に共通した注意事項

Adobe Photoshopで描いた作品の場合(あるいは、最終的にこの形式で保存する場合)

Adobe Illustratorで制作した作品の場合

その他のソフトで制作した場合


※これは、印刷用イラストレーション・データ制作の標準ルールです。
普段の仕事でも、特に指示がない限り、ここに書かれている方法で納品データを作りましょう。

Adobe Photoshop 、または Adobe Illustrator のいずれかのソフトで保存してください。

  • Adobe Photoshopによる「Photoshop EPS形式
  • Adobe Photoshopによる「PSD形式
  • Adobe Illustratorによる「Illustrator EPS形式
  • Adobe Illustratorによる「AI形式

この4つの保存形式以外には対応できかねます。

印刷物のお仕事実績からのデータ作成

「書籍カバー」「雑誌挿絵」「パンフレット」「ポスター」など、何らかの印刷物に使用された作品は、「印刷物そのままの状態(デザインされた状態)」「印刷物に掲載される前のイラストレーションのみの状態(デザインされていない状態)」の、いずれで掲載しても構いません。

「印刷物そのままの状態(デザインされた状態)」で掲載する場合は、ご自身で印刷物をスキャンしてデータ化してください。(恐れ入りますが、森イラストレーション事務所でのスキャンは行っておりません)
お持ちのスキャナの2倍程度のサイズの印刷物でも、数回に分けてスキャンし、後から合成すれば、データ化することは可能だと思います。
お持ちのスキャナよりかなり大きな印刷物(B1ポスター等)は、ご自身でスキャンするのは難しいと思います。クライアント様やデザイナーさんにお願いして、元データをいただくことをお勧めします。
いただくデータは、AI形式、またはPDF形式がいいでしょう。
AI形式の場合は、フォントを全てアウトライン化したデータをお願いしましょう。
AI形式でいただいたデータは、フォトショップ(PSD)形式に書き出して納品してください。
追加: PDF形式でいただいたデータは、フォトショップで開き、PSD形式で保存してください。

印刷物のスキャン方法は、以下の講座で詳しく解説しています。
問題のあるスキャンデータが多く、事務局スタッフの大きな負担となっています。また、美しいスキャニングができないのは、プロ・イラストレーターとして恥ずかしいです。
印刷物のスキャニングに関する森流一郎の講座を読んだことのない方は、こちらをご熟読の上、スキャニングを行なってください。
うまくスキャニングが出来ない場合は、会員向けコミュニティでご質問ください。
どうしても美しいスキャニングができない方は、退会をお願いすることになります。何卒ご了承ください。

 

Webのお仕事実績からのデータ作成

Webのお仕事を掲載する場合は、「Webに掲載された状態(デザインされた状態)」「Webに掲載される前のイラストレーションのみの状態(デザインされていない状態)」の、いずれで掲載しても構いません。
「Webに掲載された状態(デザインされた状態)」で掲載する場合は、そのスクリーンショット(キャプチャー画像)からデータを制作してください。

Mac でスクリーンショット(キャプチャー画像)を撮る方法は、こちら
Windowsでスクリーンショット(キャプチャー画像)を撮る方法は、こちら
iPad でスクリーンショットを撮る方法は、こちら


スクリーンショット(キャプチャー画像)をフォトショップで「CMYKモード」の「フォトショップEPS形式」または「PSD形式」に変換して納品してください。
詳しくは、下の「Adobe Photoshopで描いた作品の場合」を参考にしてください。

ただし、解像度が足りないと綺麗に印刷できない可能性があります。
印刷されるサイズに直した時に、解像度が350dpiになるようにお願いします。
スクリーンショットの解像度は、使用しているモニターの解像度に依存するようです。
「古いパソコン」や「安いモニター」などでは、解像度が低くなってしまうかもしれません。
スクリーンショットで解像度が足りない場合は、クライアント様やデザイナーさんに高解像度のデータを提供していただきましょう。

アナログ作品のデータ作成方法

アナログ平面作品の場合は、ご自身でスキャンしてデータ化してください。
スキャンしたデータには、「紙の目」が汚く残らないようにして下さい。
スキャンしたデータを拡大表示して「小さなゴミがないこと」を確認してください。ゴミがあれば消してから納品してください。
スキャンデータに「書籍の影」などが残らないようにしてください。
周りに作品外の不要な余白が残らないようにして下さい。

アナログ作品のスキャン方法は、以下の講座で詳しく解説しています。
紙の目やゴミの消し方も解説しています。
問題のあるスキャンデータが多く、事務局スタッフの大きな負担となっています。また、美しいスキャニングができないのは、プロ・イラストレーターとして恥ずかしいです。アナログ作品のスキャニングに関する森流一郎の講座を読んだことのない方は、こちらをご熟読の上、スキャニングを行なってください。


美しいスキャニングデータを作成できることは、会員資格の一つとなっております。
どうしても美しいスキャニングデータを作成できない方は、会員資格がないと判断せざるを得ません。そう判断した場合は、年鑑の参加をお断りし、退会をお願いする事になります。
何卒ご了承ください。

立体のアナログ作品の場合は、デジタルカメラで撮影してデータ化してください。

データ化を専門業者に依頼する方法もあります。

専門業者の例)イトウ写真工房

デジタル写真撮影やスキャニングを請け負う業者は、他にもたくさんあると思います。ネットで検索してみましょう。

すべての保存形式に共通した注意事項

作品のサイズは、印刷される大きさにリサイズして納品してください。

印刷されるサイズより小さいデータは不可です。

フォトショップ画像で解像度が不足している場合は、解像度の高いデータを作り直してください。後から解像度の数字を上げても、画質は向上しません。

囲みケイ(作品を囲む細い線)をご自身で入れないでください。
「点線で印刷される」「線が印刷されない」といった印刷事故の元になります。
作品に囲みケイを希望する場合は、「文字原稿記入フォーム」の「カコミケイを希望しますか?」という項目で、「希望する」にチェックを入れてください。

Adobe Photoshopで描いた作品の場合(あるいは、最終的にこの形式で保存する場合)

Photoshop EPS形式、またはPSD形式で提出してください。

(フォトショップデータの作り方は、こちらも参考にしてください。納品用Photoshopデータの作り方

Photoshop EPS形式、PSD形式共通の注意事項。

  • 解像度:「カラー作品は、350dpi/inch」「グレースケールは、600dpi」「モノクロ2階調は、1200dpi」でお願いします。後から解像度を上げても画質は向上しません、はじめから高い解像度で制作してください。
  • カラーモード:「CMYK」「グレースケール」「モノクロ2階調」のいずれかでお願いします。「RGB」は不可です。
  • フォントは、ラスタライズ化(アウトライン化)してください。
  • チャンネルパネルに、アルファチャンネルを残さないでください。
  • パスパネルに、パスを残さないでください。
  • 最終的にレイヤーを統合して保存してください。(レイヤーパネル右上のメニューから「画像を統合」を選んで下さい。レイヤーが「背景」という名称のもの1枚となっていればOKです。)
  • 「カラープロファイルの埋め込み」のチェック欄を外してください。(EPS保存する際、あるいはPSD形式から「別名で保存」「コピーを保存」を選んだ際にでてくるダイアログボックスの下の方に「カラープロファイルの埋め込み」というチェック欄が出てきます。何もしないと、勝手にチェックが入ってしまいます。必ず自分でチェックを外してください)

Photoshop EPS形式の注意事項

Photoshop EPS形式で保存する際に、「EPSオプション」として、いくつかのチェック項目の表示がでます。

  • 「プレビュー」は、「TIFF(8bit/pixel)」にしてください。
  • 「エンコーディング」は、「JPEG-最高画質(低圧縮率)」にしてください。(ただし、一般的な印刷用データでは「バイナリ」が推奨されています。普段のお仕事では、特に指示がない限り、「バイナリ」にしましょう。)
  • その他のチェック欄は、すべて空白のままにしておいてください。ここにチェックが入っていないことを必ず確認してください。

Adobe Photoshopで制作、または保存した作品画像を、Adobe Illustratorに配置することは、原則として禁止します。
Photoshop画像をIllustratorに安易に貼り付けると、解像度が350dpi以下の荒い画像になることがあるからです。

そうした特殊な技法で制作している場合は、最終的にPhotoshopに書き出し、Photoshop EPS形式で納品してください。
この特殊な技法で制作する際は解像度不足にならないよう最新の注意を払いながら制作してください。そして完成後にもう一度Photoshopで開いて、画質に問題がないか入念にチェックしてください。
解像度などに関して正しい知識がない場合は、この技法は使わないようにお願いします。

Adobe Illustratorで制作した作品の場合

Adobe Illustratorでイラストレーションを描いた場合は、Illustrator EPS形式、またはAI形式で納品してください。

「Adobe Illustrator以外のソフトで描いたイラストレーション」や「アナログ作品をデータ化したイラストレーション」は、Illustrator EPS形式やAI形式で納品することを禁じます。

色のモードはCMYKでお願いします。

「DIC」「パントーン」「その他の特色」を使った色指定は厳禁です。
もし使っている場合は、CMYKに変換してから納品してください。
こうした特色は、カラーパレットにも残さないでください。
参考ページ:https://www.meishiryohin.com/blog/cat25/cmyk-1.php

作品内にフォントを使用している場合は、文字をアウトライン化してください。
参考ページ:https://www.meishiryohin.com/blog/cat25/illustrator-2.php

不要なアンカーポイント(パス)は削除してください。
Illustratorの画面の上にあるツールバーの【オブジェクト】→【パス】→【パスの削除】で全てのチェック項目にチェックを入れて【OK】をクリックすれば削除できます。
参考ページ:https://www.meishiryohin.com/blog/cat25/illustrator-1.php

使わないレイヤーはすべて削除してください。
あるいはレイヤーの統合をしてください。

線の太さは最低でも0.25pt必要です(印刷される原寸サイズで)。
作品をレイアウトする際、縮小すると、線が細くなります。
印刷されるサイズにリサイズの上、太さを確認して納品してください。
細すぎたり、色が薄かった場合は点線状に印刷されたり、最悪印刷されないこともあります。(過去の年鑑で実際にそうした事故が発生しています)

Adobe Photoshopで制作、または保存した作品画像を、Adobe Illustratorに配置することは、原則として禁止します。
Photoshop画像をIllustratorに安易に貼り付けると、解像度が350dpi以下の荒い画像になることがあるからです。
そうした特殊な技法で制作している場合は、最終的にPhotoshopに書き出し、Photoshop EPS形式で納品してください。
この特殊な技法で制作する際は解像度不足にならないよう最新の注意を払いながら制作してください。
そして完成後にもう一度Photoshopで開いて、画質に問題がないか入念にチェックしてください。
解像度などに関して正しい知識がない場合は、この技法は使わないようにお願いします。

Ver.9.0以降の透明機能を使う場合は、ラスタライズの設定を350dpi、「画質/速度」設定を「高画質/低速」にしてください。

 

その他のソフトで制作した場合

その他のソフト(ペインター、クリップスタジオ、プロクリエイト、アイビスペイント、3Dソフトなど)の形式は、事務局やDTPスタッフが開けません。印刷所も対応しておりません。

必ず、Photoshop形式に変換して納品してください。(「Photoshop EPS形式」または「PSD形式」、カラーモードは「CMYK」)

Photoshop形式への変換の手順は次の通り。

  1. PSD形式(ない場合はJPEG形式)で書き出す。
  2. そのデータを、Photoshopで開いて、CMYKモードに変換。(ご利用のその他のソフトにCMYKモードに変換する機能がある場合はその機能を使っても構いませんが、RGBからCMYKの変換はAdobe製品の方が優秀ではないかと思います。)
  3. 最終的に、「Photoshop EPS形式」または「PSD形式」で保存。

Photoshopでの保存方法は、「Adobe Photoshopで描いた作品の場合。(あるいは、最終的にこの形式で保存する場合)」を参照してください。