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confirmation

お仕事確認書

これは、発注者とイラストレーターの間で交わす、お仕事の内容や条件に関する覚え書き

お仕事確認書とはーー
イラストレーションのお仕事において、「発注者とイラストレーターの間で交わす、お仕事の内容や条件に関する覚え書き」です。

実はーー
日本には下請法という法律があります。
この法律で、イラストレーターに仕事を依頼する親事業者(依頼主)には、事前に発注内容に関する書面(発注書など)を交付することが義務付けられています。

参考資料:https://www.jftc.go.jp/houdou/panfu_files/contentspamph.pdf

ところがイラストレーターの仕事の現場では、この書面(発注書など)を交していただけないことも多いのが現状です。
このお仕事確認書は、下請法で義務付けられている書面(発注書など)の代わりともなる書類なのです。
本来交付しなければならない書類の代わりとなるため、発注者側も歓迎してくださるケースが多いです。

「お仕事確認書」ダウンロード

○日本語版ダウンロードURL

PDF形式:
https://www.dropbox.com/s/3mlvtnt7lpnk5mv/oshigotokakuninnsyo.pdf?dl=0

ai形式(CC2020年度版):
https://www.dropbox.com/s/4yguersrdtaxr5a/oshigotokakuninnsyo.ai?dl=0

ai形式(CS2版):
https://www.dropbox.com/s/ko8ecxm1e6oqewi/oshigotokakuninnsyo_CS2.ai?dl=0

* 日本語版の使用フォントは、「ヒラギノ角ゴシックW8」「ヒラギノ角ゴシックW6」「ヒラギノ角ゴシックW3」。

○英語版ダウンロードURL

英語版PDF形式:
https://www.dropbox.com/s/13kx7p063j858qp/E_oshigotokakuninnsyo.pdf?dl=0

英語版ai形式:
https://www.dropbox.com/s/mheyy787hkyaku0/E_oshigotokakuninnsyo_CS2.ai?dl=0

* 英語版の使用フォントは、「Avenir Next Demi Bold」「Avenir Next Medium」 「Avenir Next Regular」。

*「うまくダウンロードできない」「データを開けない」という場合は、お問い合わせください。
お問い合わせ電子メール:iratsu@moriillustration.net

お仕事確認書利用時の備考

  • お仕事の条件などは、adobe Illustrator上で入力し、PDFに書き出してから、相手側に送るのがいいでしょう。
    ai形式のまま送ると、先方が開けないことがあります。しかも、ai形式は内容の改竄が容易です。こうした書類には向いていません。かならずPDF形式に書き出してから、Acrobat Sign を使って署名し、送信しましょう。
    Acrobat Signについての参照ページ:
    https://www.adobe.com/jp/sign.html
  • お仕事確認書の著作権は放棄しています。(著作権があるのかどうか不明ですが)どなたでも、使っていただいて構いません。
  • 自分が使いやすい内容に変更してもOKです。
    ai形式のデータは、ご自身の仕事に合わせて、使いやすい内容に変更して構いません。
    ただし少しでも変更を加えた場合は、「制作:イラストレーターズ通信 https://イラ通.com」の文字は削除をお願いします。

お仕事確認書・各項目の解説

署名欄

一番上には、発注者様とイラストレーター、双方の署名欄があります。
直接会って打ち合わせをする機会があるのなら、その時に全項目を記入し、お互いに署名し、双方一枚ずつ保管するのが、一番望ましいです。
より厳密にするには、それぞれが保管する2枚のお仕事確認書に割印をしておくといいでしょう。

割印に関する参考ページ:
https://www.hankoya.com/untiku/keiin_wariin.html

昨今は、直接会うことなく、電子メールのやり取りだけで仕事を進めるケースも多いです。
直接会う機会がない場合は、電子署名を使いましょう。

電子署名は、イラストレーターなら Acrobat Sign が使いやすいでしょう。
Acrobat Sign は、Adobe CC の契約をしていれば使用可能な電子署名サービスです。
電子メールを使ってPDF形式のデータをやり取りすることで、正式な契約書を交わすことが可能です。

クライアントの名称(発注者と異なる場合)、住所、電話、メールアドレス、担当者

次の「クライアントの名称(発注者と異なる場合)、住所、電話、メールアドレス、担当者」の欄には、発注者様と大元のクライアント様が異なる場合に記入します。
発注者様と大元のクライアント様が異なる例としては、たとえばこんなケースがあります。

例1)書籍カバーの仕事がイラストレーション・エージェンシーを通して依頼が来るケース。
イラストレーターに連絡してくる発注者様はイラストレーション・エージェンシーですが、大元のクライアント様は出版社です。
この場合は出版社名をここに入れます。
多くの場合、エージェンシーから報酬が振り込まれます。

例2)雑誌カットの仕事が編集プロダクションから来ることがあります。
イラストレーターに連絡してくる発注者様は編集プロダクションの方ですが、大元のクライアント様は出版社です。
この場合も出版社名をここに入れます。
多くの場合、編集プロダクションから報酬が振り込まれます。

例3)企業ポスターの仕事が広告代理店から来ることがあります。
イラストレーターに連絡してくる発注者は広告代理店の方ですが、大元のクライアントは企業です。
この場合は企業名をここに入れます。
多くの場合、広告代理店から報酬が振り込まれます。

こうしたケースで、発注者とイラストレーターの間でトラブルとなった場合にーー
大元のクライアントの連絡先が分かっていれば、問題解決の糸口となることがあります。

「使用媒体」

ここは、どの媒体に使うのかを記入する欄です。
「媒体」というのは、イラストレーションを人々に向けて伝えるための手段のことです。
イラストレーションは、書籍のカバーや雑誌やカタログやポスターやWebなど、様々な媒体に使用されます。「今回の仕事のイラストレーションはなんの媒体に使うのか」をこの欄で決めておくのです。正確には媒体でないものも含まれていますが、わかりやすくここでひとまとめにしています。

「媒体タイトル、書籍名、雑誌名、商品名、企画名、記事名、あるいはこの仕事の簡潔なタイトル」

次は、「媒体タイトル、書籍名、雑誌名、商品名、企画名、記事名、あるいはこの仕事の簡潔なタイトル」です。
ここには、「なんの仕事なのかが、一目でわかるようなその仕事のタイトル」を入れます。

もしここで「雑誌挿絵」という曖昧な名称にしてしまうと、今後あらゆる雑誌でそのイラストレーションを使うことが可能になってしまいます。
そんなトラブルを避けるために、明確に他の仕事と区別できる名称にしておきましょう。

○ 書籍カバーの仕事ならーー
ここに書籍のタイトルを入れます。
たとえばーー
「『人間失格』(太宰治・著)〇〇文庫カバー」
「『源氏物語』(紫式部・著) 〇〇文庫カバー」
「『タイトル未定』重松清さん、書き下ろし小説。単行本カバー」
という感じです。

タイトルがまだ決まっていないこともありますよね。
その場合は、『タイトル未定』などとしましょう。

○ 雑誌の仕事ならーー
「『an・an』No.0000号「星占い特集」挿絵」
「『オレンジページ』2021年0月0日号「ラーメン特集」挿絵」
「『小説新潮』2021年0月号、桜木紫乃さん、短編小説挿絵」

という感じです。

記事のタイトルが決まっているのならそのタイトルで。決まっていない場合は、なんの記事なのか分かるように書きましょう。

○ 宣伝・広告の仕事ならーー
「JR SKI SKI 2021年キャンペーン広告、イメージ・イラストレーション」
「資生堂 2021年 新色ルージュ ポスターのイラストレーション」
「無印良品 2021年カタログ挿絵」
という感じです。

わかりやすくて、他の仕事と区別がつきやすいタイトルにしましょう。

「発注するイラストレーションの内容」

「発注側がどんなイラストレーションを希望しているのか?」その内容を具体的に、わかりやすく、そして端的に書いていただきましょう。

例えばーー
「満員電車に乗っているサラリーマン」
「パリの街で散歩している若い女性」
「昭和感あふれる路地裏」
「サッカーのフォーメーションの図解」
「カレーの作り方の手順」
「星座占いの12の星座」

という感じです。

より詳しい指示があって、このスペースで収まらないこともあると思います。
その場合はーー
別の紙に書いていただいたり、
料となるデータで提供していただいたり、
口頭やメールの文章で指示していただいたりします。
ここには簡単に書いて、「詳しくは別紙」としても良いでしょう。
稀にお任せであることもありますが、その場合はーー
「この小説のイメージで自由に描く」
「この企画に合わせた内容で、アイデアを凝らしてください」
「お任せ」
と、いう感じで書いておきましょう。

「発行予定日、発売予定日(または使用期間)」

商品なら「発売予定日」を入れます。広告・宣伝であれば、「使用期間」を入れましょう。書籍や雑誌であるなら、一般的には、使用期間を定める必要はないでしょう。
この欄には、発行予定日を書きましょう。

「使用地域」

宣伝・広告の仕事では、「使用地域」も重要です。
使用地域を具体的に書いておきましょう。

出版系の仕事では、ほぼ日本での販売になると思います。
海外で販売される場合は、その国の名称を記入しておきましょう。

「商品の数、部数」

宣伝・広告の仕事では、数も決めておく方が良い場合があります。
例えば、ポスター1枚と100枚の場合は、一般的には100枚の方が高くなります。
しかし、数を決めておかない場合もあります。
必要なだけ印刷し、足りなくなれば増刷されることになります。
そうした場合は「数量制限なし」などと記入しましょう。

商品に使われる場合も、事前に数を決めておくことがあります。

あるいは、数量は決めずにロイヤリティ制にすることもあります。売り上げの何%かをイラストレーターが受け取る方式です。この場合は、ここには記入せず、斜線を引くなどしておきましょう。
そして、右下のほうにある「印税、またはロイヤリティ」に記入します。

数量を決めないケースもあります。
特に駆け出しの場合は、何か商品を出してもらうにしても、数量を決めてもらう契約にしてもらうのは、難しいかもしれません。
決めない場合は、「数量制限なし」などと記入します。

書籍カバーや雑誌の挿絵等、出版系の仕事では、部数を決めないのが一般的です。
発行部数に関係なく、報酬額が決められます。
書籍がベストセラーになってたくさん売れても、イラストレーター が受け取れるのは最初に決めた報酬額だけです。
「カバーイラストレーションを描いた書籍が重版になったら、イラストレーターも追加報酬をいただける」かのように書かれた書籍がクリエーター向けの著作権本として販売されています。
しかし、その本の作者は弁護士なので出版業界のルールには詳しくなかったのだろうと思います。

出版系の仕事では、「数量制限なし」と記入しましょう。
「記入の必要なし」という意味で、斜めの線を引いても構いません。

ただし、画集などご自身が著者の本の場合は、印税制となります。
絵本や漫画や文章メインの本でも、ご自身が著者なら印税制であることが一般的です。
挿絵をふんだんに使っている児童書でも、印税制になることがあります。
印税制の場合は、ここには記入せず、右下のほうにある「印税、またはロイヤリティ」に記入します。

「競合他社での仕事を禁じるか」

広告・宣伝の仕事では、競合他社の仕事を禁止されることが多いです。
禁止される場合は、
・どんな業種(あるいは商品)で禁じるか?
・いつからいつまで禁じるか?

を明確にして記入しましょう。
「いつからいつまで禁じるか」は、使用期間と一致するとは限りません。
使用が終了しても数年間は競合他社での仕事を禁じる場合もあります。

長くイラストレーターをやって入ると、競合する企業から依頼をいただくことは少なくないです。
例えば風邪薬の店頭POPの仕事をしたとして、
・禁じられるのは風邪薬の仕事だけなのか?
・医薬品全般にだめなのか?

その辺りを明確にしておきましょう。

明確にしておかないとーー
十年後、他の会社の胃薬の店頭POPの仕事が来た時、受けていいのかダメなのかが分からなくなります。

ただし、「競合での仕事に何の制限も設けない」といわれたとしてもーー今後他の企業が気にすることはあります。例えば、製薬会社Aの風邪薬の店頭POPの仕事をしたとして、「競合制限なし」とされていたとしてもーー製薬会社BがイラストレーターCに薬のTVCMの仕事を依頼しようと問い合わせてきたけれど……イラストレーターCが製薬会社Aの風邪薬の仕事をしていると分かった途端に、「申し訳ないのですが、やはり別のイラストレーターにお願いすることになりました」と、風向きが変わってしまうことがあります。
ですから、競合制限がないとしても、宣伝広告に関する仕事の報酬は高くあるべきでしょう。

「掲載サイズ」

サイズは重要です。
ここを間違えると描き直しになることがあります。
正確に記入するようにしましょう。

縦と横を間違えることは、結構多いと聞きます。気をつけましょう。
単位もしっかり書きましょう。
グラフックデザインの世界では、ミリで指示するのが一般的です。
Webの仕事なら、ピクセルで指示されると思います。
ミリとピクセルでは大違いです。注意しましょう。

サイズは7種類まで記入できるようになっています。
ほとんどの仕事は、7種類のサイズまでで収まると思います。
それ以上にサイズのバリエーションがあり、ここに収まりきらない場合はーー
別紙にサイズ一覧を書く手があります。
もう一枚を使う場合は、特記事項の欄などに、サイズは別紙参照などとして、サイズ別の点数や色や金額を表にしましょう。
合計金額は、確実にこちらのお仕事確認書に書きましょう。

サイズの項目を増やした、オリジナルの「お仕事確認書」を自分で作って使用するのも、良いでしょう。

サイズが7種類もない場合は、記入欄が余ってしまいます。
勝手に増やされないように、余った記入欄には、斜めの線を引いておきましょう。

依頼時にサイズが決まっていないこともあります。
まだレイアウトができておらず、レイアウトができてからサイズを指示してもらうケースです。
この場合は、おおよその目安となるサイズを記入しても構いません。サイズの数字の後に(目安)と書くのもいいでしょう。
あるいはサイズ欄を空欄にして「サイズはレイアウト完成後指示すること」などと書いても構いません。

出来上がったイラストレーションを基にレイアウトを行う場合もあります。
比較的自由なサイズで描いて、デザイナーがそれを基にデザインする場合です。
この場合は、サイズ欄には、「イラストレーター にお任せ」「自由」「定めなし」などと書いたり、あるいは「雑誌見開きのおおよそ4分の3程度」「雑誌1ページの半分程度」などと、おおよそのサイズを書きましょう。

「作品点数」

作品点数はサイズごとに記入するようになっています。
間違えないようにサイズごとの点数を入れましょう。

「色(1C、2C、4C、特色など)」

印刷物の仕事では、カラー、モノクロ、2色、3色などいろんなパターンがあります。特色が使われることもあります。
イラストレーション業界、グラフィック・デザイン業界、印刷業界では、印刷する色の数を「1C」「2C」「4C」などと表現します。

○1色のインクで印刷される場合は、「1C」と書きます。
黒一色の印刷は全てそうですね。
黒以外にも、他の色1色で印刷されることもよくあります。
シアン1色、マゼンタ1色、あるいは特色が使われることもあります。

「1C」の場合は、具体的な色名も書いておきましょう。

○2色のインクで印刷される場合は、「2C」と書きます。
「マゼンタと黒」「シアンと黒」などの印刷をよく見かけます。
その他のあらゆる色でも、2色印刷される可能性があります。

「2C」の場合は、具体的な色名も書いておきましょう。

○4色のインクで印刷される場合は、「4C」と書きます。
一般的なカラー印刷は、YMCKの4色のインクで全ての色が再現されます。
ですからーー「4C」とは、一般的なカラー印刷のことを指します。
雑誌のカラーページは、ほぼ全てこの4色で印刷されています。
書籍のカバーも、この4色によるカラー印刷が多いです。
イラストレーターに対する指示では、「カラーで」「4Cで」「4色で」といった表現になります。
「4色で」といわれて、色を4つしか使ってはいけないと誤解してしまう新人イラストレーターの笑い話も時折聞きます。
某編集者によれば、「赤、青、黄、緑の4色で彩色すればよろしいですか?」などと、真面目な顔で尋ねてくるイラストレーターが時々いるそうです。
「4色で」と言われたら、フルカラー印刷なので、一般的な色なら何色でも使って大丈夫です。
(ただし、金色、銀色、蛍光色、とても鮮やかな色など、一般的なカラー印刷で出にくい色はもちろんあります。)

ちなみにーー
Yは、イエローの略です。
Mは、マゼンタの略です。
Cは、シアンの略です。
Kは、ブラックの意味です。「Bk」と表記されることもあります。

一般的な「4C」は、この4色ですが、その他の特殊な色を使う場合は、その色名も書いておきましょいう。

○その他に「3C(3色)」「5C(5色)」「6C(6色)」「7C(7色)」あるいはもっと多い色数で印刷されることもあります。
インクの数が多いほど印刷代は高くなります。
「1C」よりも「2C」が、「2C」よりも「4C」が高いです。
印刷代を抑えるために、3色だけで4色のカラー印刷に近い味わいを出す場合があります。
これが「3C」です。
例えば、「YMC」の3色のこともあるし、全く別の色が使われることもあります。
「3C」の場合も、具体的な色名を書いておきましょう。

予算がある場合は、一般的な4色印刷では出にくい色(金・銀、蛍光色等)を再現するために、5色、6色などの多色印刷が行われることもあります。
たとえば少女漫画の鮮やかなカラーページでは、蛍光ピンクや蛍光イエローが、5色目、6色目に使われていることがよくあります。
こうした場合は「5C」「6C」となります。

あるいは、より幅広い色を再現するために「YMCK+RGB」の7色で印刷する手法もあります。
Rは、レッド。
Gは、グリーン。
Bは、ブルーです。
こうした場合は、「7C」ですね。

こうした特殊な印刷の場合も、使われる色名を記入しておきましょう。
ただしお金がかかるので、こうした特殊な印刷が使われることは稀です。

○「特色」というのは、「YMCK」以外の「特別な色」です。
金・銀等の金属色、
蛍光色、
様々な中間色、
CMYK以外のビビッドな色、
グレー、
白、
などなど、、、様々な特色があります。

デザイナーは、DICカラーガイドという色見本帳をもとに色を指示します。
https://www.dic-graphics.co.jp/products/cguide/

この色見本には、様々な特色が実際に印刷されています。
そして、すべての色に番号が振られています。
参考ページ:
https://www.sakawa.jp/pdf/dic.pdf

特色は、このDICの色番号で指示されます。
特色の場合は、指示されたその色番号を書いておきましょう。
DICで指示されてどんな色なのかわからない場合は、ネット上を検索すると出てきます。
アドビ・フォトショップやアドビ・イラストレーターでも、DICの色を出すことができます。
でもディスプレイ上の色とは完全に一致しません。
どんな色なのか正確に知るには、DICカラーガイドを持っておいたほうがいいです。
※注意:YMCKの4色を組み合わせて印刷された色は、どんな色も特色とは呼びません。特色とは、印刷される前のインクそのものの色が、YMCK以外の特別な色なのです。

○ Webの仕事の色について
Webやゲーム、あるいはTVの仕事なら、色の数は関係ありません。
どのディスプレイでもカラーで表示されるからです。
「カラー」あるいは「RGBカラー」と記入しておきましょう。
※ディスプレイは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色で表示されます。

「1点あたり料金(1媒体、1回使用)」

ここは、イラストレーション1点の使用料を記入します。

一般的な仕事では1媒体、1回使用の料金をいただきます。

書籍カバーに描いたけど、店頭POPにも使われる場合は、そのままでは使用先が2媒体になってしまいます。
その場合は、ここには書籍カバーの使用料のみを記入して、下にある「二次使用・流用の有無」の欄に、店頭POPの流用代を記入しましょう。
「店頭POPに二次使用、¥〇〇〇〇-」という感じです。
書籍カバーに描いたけれど、書籍の扉等に流用されることもあります。
このままだと1媒体2回使用になります。
こうしたケースでは、ここには書籍カバーの使用料のみを記入します。
そして、下にある「二次使用・流用の有無」の欄に、扉への流用代を記入しましょう。
「扉に流用、¥〇〇〇〇-」という感じです。
しかし、クライアントの意向で、複数の媒体に使って(あるいは同一媒体に複数回使って)、流用を含めた値段で「¥〇〇〇〇-」と言われることもあります。
書籍カバーと店頭POPへの二つの媒体への使用で「¥100,0000-」という感じです。
この場合は、「1媒体、1回使用」を二重線で消して、
上の「使用媒体」の欄で「書籍カバー」「店頭POP」の二つに丸をつけておきましょう。
あるいは大規模な宣伝広告だと、たくさんの媒体に使われることもあります。
例えばーーポスター、テレビCM、カタログ、チラシ、などなど。
さらに色々な媒体に使われることもあります。
そういう場合も、「1媒体、1回使用」を二重線で消して、
上の「使用媒体」の欄で、「ポスター」「テレビCM」「カタログ」「チラシ」などに丸をつけておきましょう。
ちなみにーー
「流用」「二次使用」は、ほぼ同じような意味です。
一つのイラストレーションを別のところでも使う場合に言います。
一つの雑誌の中で何度も同じイラストレーションを使う場合がそうです。
一つのイラストレーションを、複数の媒体で使う場合もそうです。
イラストレーターとして活動していると頻繁に使います。
覚えておきましょう。

「サイズ別料金合計(1媒体、1回使用)」

サイズごとに料金を合計してここに書きます。
1万円のイラストレーションが10点あるとしたらーー
¥10,000-×10点=¥100,000-
なのでーー
「¥100,000-」
ですね。
ここには「¥100,000-」と記入します。
流用代を別にいただく場合は、下にある「二次使用・流用の有無」の欄に記入しましょう。
流用代をまとめた料金にしている場合は、「1媒体、1回使用」を二重線で消しておきましょう。

「二次使用、流用の有無」

イラストレーションを本来の目的以外で使用することを、「二次使用」あるいは「流用」といいます。
「二次使用」と「流用」は、ほぼ同じような意味です。

上の「使用媒体」の欄では、主となる使用媒体を書きました。
それ以外の媒体に使わない場合は、「無」に丸をしておきます。
それ以外の媒体にも使う場合は「有」に丸をして、その媒体名をここに記入し、その流用代を記入します。

例えば、書籍カバーとして描いたイラストレーションをーー
・その本の表紙
・その本の扉
・店頭POP
・新聞広告
・車内吊り広告
・別の書籍
・Web
・別の雑誌
・全く別の広告
などに使うのが、二次使用(あるいは流用)です。

「ロイヤリティ、または印税」

イラストレーターの報酬は、「イラストレーション1点につき〇〇円」と使用料を定めるケース以外にも、売上高や発行部数に応じた使用料を定めるケースがあります。

売上高や発行部数に応じた使用料を受け取る方式を、ロイヤリティ方式と呼びます。

その商品においてイラストレーションの力が大きく寄与している場合に、この方式がとられることがあります。
たとえば、
・絵本
・書籍
・ジグゾーパズル
・ポストカード
・塗り絵
などなどです。
絵本の場合、ほとんどは印税方式となります。(一部例外もあります)
書籍でも、イラストレーターが著作者として大半を書いた場合は印税方式となることが多いです。
児童書でも、挿絵が多いものは印税方式になることがあります。
書籍以外でも、上に上げた例のような、その絵の魅力で売り上げが大きく左右される商品は、ロイヤリティ方式となることがあります。

ロイヤリティは、売上高に対する場合もありますが、
・製造数
・出荷数
に対する場合もあります。
何に対するパーセントかを決めて置きましょう。

「料金合計」

各サイズの料金を合わせ、更に流用代等も合算した合計金額を記入します。
消費税が別なのかどうかも事前に確認して「込」か「別」のどちらかに○をします。

「請求書は必要ですか」

請求書が必要かどうかを事前に確認し、「不要」か「必要」のどちらかに○をつけます。必要な場合は、いつまでに送ればいいのかも確認し、記入します。これまで、出版系の仕事では、請求書を求められることは稀でした。
しかし、インボイス制度が始まると、おそらくほとんどのケースで請求書を求められるようになると思います。

「振込口座」

ここにはイラストレーターの銀行口座を記入します。

振り込み手数料の負担

依頼主からイラストレーターに報酬を支払う際の振り込み手数料が、振り込み側で負担するのか、受け取り側で負担するのかも確認し、どちらかに○をつけます。

「支払日」

依頼主からイラストレーターに報酬が振り込まれる日を事前に確認し、ここに記入します。
下請法2条の2により、親事業者には、納品後60日以内の入金が義務付けられています。
ただし、実際にはもっとかかるケースもあります。
例えば編集プロダクションから依頼があった場合ーー
出版社から編集プロダクションに振り込まれてから、イラストレーターに振り込むことも多いのです。
その場合3ヶ月程度かかるのではないかと思います。

本来は、全てのケースで60日以内に振り込んでいただくべきです。しかし、現実には難しいこともあります。場合によっては、柔軟に対応していくことも必要になると思います。しかし、半年先などになってくるとさすがに問題です。
問題が大きい場合は、中小企業庁に情報提供することも出来ます。

下請法に関する申告・報告(情報提供)のページURL:
https://mm-enquete-cnt.meti.go.jp/form/pub/jigyokankyo/shitaukeho_shinkoku

「下請け駆け込み寺」などの相談窓口もあります。
https://www.zenkyo.or.jp/kakekomi/

「ラフ提出日」

ラフ提出日も決めておきましょう。
依頼主から指定してくることもありますが、
イラストレーター側から提案することもあります。
事前に合意してから書き込みます。

いざラフを送ってみたら、担当者が休暇をとっていたり、出張にでていて、数日返事がないこともあります。
いつ送るかを事前に決めておくことは大事です。

「締切日」

完成したイラストレーションを納品する日です。
これは必ず確認し、ここに明記しておきましょう。

「納品の形式と方法」

これも事前に確認しあっておきたいです。
今は殆どのイラストレーターがデータ納品です。
だから、事前に何の説明もなく、いきなりアナログの原画を送ると、相手が慌てることもあります。

原画の場合、デザイナーがスキャニング作業をしなければならないこともあります。
点数が多いと大変です。

張りキャンバスなどで厚みのある作品、あるいは立体作品などは、スキャニング出来ません。
カメラマン(あるいは撮影会社)に撮影をお願いする必要があります。
雑誌などは大概ギリギリで締め切りを設定しているので、急にカメラマンを探すことが難しい場合もあります。
あるいは、そもそも撮影代金までは予算を組んでいないことも多いです。

必ず事前に納品形態を相談しましょう。

納品するデータの保存形式は、印刷物の仕事なら、・アドビフォトショップ形式(psd)・アドビイラストレーター形式(ai)のいずれかがいいでしょう。アドビイラストレーター形式の場合は、バージョンも確認しておきましょう。
Webやアプリの仕事なら、・jpeg形式・PNG形式・GIF形式
が一般的です。

 いずれの形式で納品するとしても、必ず、事前に納品先に確認しましょう。

「特記事項」

その他に、事前に約束したことがあれば、ここに明記します。

・「流用において作品をトリミングすることがある」
・「ラフまでで仕事が見送られた場合、発注主はイラストレーターに対し、予定していた料金合計の50%を支払う」
・「ラフの修正は3回まで。それ以上の場合、発注主はイラストレーターに対し、一回の修正に付き〇〇円支払う」
・「この書面にない媒体への流用が必要になった場合、発注主はイラストレーターに対し、一媒体につき、元の金額の50%を支払う」

などの取り決めをしておくこともあります。

特記事項がない場合は、勝手に記入されないように、斜めの線を引いておきます。

「1社、1個人、1団体、1自治体等での独占的使用許諾契約となります。(イラストレーターは、この作品を他の企業、個人、団体、自治体等に対して、使用許諾いたしません。)」

欄外下の1文目を解説します。
この文は、一言で言うとーー
「イラストレーターは、この作品を他の企業等に使い回ししませんよ」という意味です。

「著作権はイラストレーターが所有しています。この書面に定めのない二次使用や流用には、別途使用料が必要となります。」

欄外下の2文目を説明します。
この文は、「著作権はイラストレーターにありますよ」「このお仕事確認書にない二次使用や流用には別に代金が必要ですよ」という意味です。

「イラストレーターは、著作者人格権を行使することができます。(多少のトリミングや色の変更を「可」とする場合、名前の表記をしない場合は、「特記事項」に記入すること。)」

欄外下の3文目を説明します。
文字通り、「イラストレーターは、著作者人格権を行使できますよ」という意味です。

「著作者人格権を行使しない」とされた契約書の危険性に関しては、noteに詳しく書いています。
https://note.com/moriryuichiro/n/nb6d23eab97f6

「イラストレーション納品後に、その使用が見送られた場合も料金が発生します。ラフまでなど、制作途中であってもその進行状況に応じて料金が発生します。」

欄外下の4文目を説明します。
イラストレーションの納品まで行ったにもかかわらず、その使用が見送られることがあります。
または、ラフまでなど制作の途中で使用が見送られることもあります。
「こうした場合も、代金をいただきますよ」というのが、この文章の意味です。

「原画・データ等は、作業終了後、イラストレーターにご返却願います。(オンライン納品のデータは除く)」

欄外下の5文目を説明します。
アナログの原画は必ず返却していただきましょう。原画を受け取ったら、メールでお礼をしておきましょう。届いたことがわかると、クライアントも安心します。データをCD-Rなどで納品するケースは、今は滅多にないと思いますが、データも返していただくのが基本です。返却不要な際は、その旨書いておきましょう。

オンライン上で納品する場合は、返却不要です。

「印刷物や商品見本が出来上がりましたら、イラストレーターにお渡し願います。Web上に公開された場合や電子書籍は、そのURLをお知らせください。」

欄外下の6文目を説明します。
そのイラストレーションが使われている「雑誌」「書籍」「商品」などは、見本として1つ(またはいくつかを)いただけます。これを忘れる担当者は、時折いらっしゃいます。届かない場合は、問い合わせをしましょう。

「イラストレーターは、今回の仕事の画像を「Webサイト」「ポートフォリオ」「SNS」等で仕事歴として掲載することがございます。問題がある場合は、事前にお知らせください。」

欄外下の7文目(最後)を説明します。
著作権を譲渡していないのであれば、イラストレーターが自身のポートフォリオやSNSに掲載するのは自由です。
書籍のカバー・イラストレーションを描いたとすれば、その書影の著作権はイラストレーターにあります。
出版社に著作権はありません。
したがって、自身のポートフォリオやSNSに掲載する際、出版社の了解を得る必要はありません。
しかし、ごく稀にクライアントの事情で「実績として公開しないで欲しい」と希望されることがあります。
後から揉めることのないよう、ここで確認しておきましょう。
「実績公開不可」の場合は、「特記事項」に書き入れましょう。

「実績公開可」の場合も、ご自身のイラストレーション以外の著作物(イラストレーション、写真、文章)が映り込んでいる場合は、ぼかしやモザイクをかけておきましょう。
クライアント様がその著作権の所有者に確認をとっていない可能性もあるからです。
ぼかしやモザイクをかけたくない場合は、「この著作物(イラストレーション、写真、文章)も、掲載して大丈夫でしょうか?」と確認して、了解を得ておきましょう。


制作にあたっては、次の2つを参考にさせていただきました。

「下請法」「著作権法」などの法律も参考にしました。
顧問弁護士である小沢一仁先生からのチェックも受けています。

「イラストレーターズ通信」会員の皆さんからも様々なアドバイス、ご意見をいただき、改善を重ねてきました。
アドバイスやご意見をくださった会員の皆さんには、心からお礼申し上げます。

イラストレーターズ通信 主宰:森流一郎


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