『ピアノの本』2024年1-3月 285号
株式会社ヤマハミュージックジャパン様
発行の『ピアノの本』の表紙画を担当しています。
編集 /株式会社SCRコミュニケーションズ

音楽史をたどる表紙画シリーズではロマン主義から現代へという時期に入って
3号目となる今号ではチャイコフスキー、ラフマニノフ、スクリャービン、
プロコフィエフの4人が登場しました。

チャイコフスキー
TCHAIKOVSKY 1840-1893
《白鳥の湖》
チャイコフスキーは幅広いジャンルで多くの大作を残していますが、
今号ではバレエ音楽として有名な曲を取り上げました。
《白鳥の湖》はお話が絵本にもなっているのでお子さんの中でも知っていると
思います、あっこれ知ってると思ってくれたらいいな~と思ってます。

ラフマニノフ
RACHMANINOFF 19978-1943
1917の革命後にロシアからパリに亡命し
アメリカに渡って以来、帰郷することのなかったラフマニノフの曲の中から
「幻想的小品集 前奏曲 Op.3-2」 通称「鐘」を選びました。
当時のモスクワでは時刻を知らせるのに教会の鐘が鳴らされており
ラフマニノフにとっても鐘は故郷を象徴するものであったそうです。

スクリャービン
SCRIABIN 1872-1915
《プロメテ(プロメテウス)》です。
スクリャービンは神秘主義思想を取り入れた音楽に取り組んでいました。
《プロメテ》のために、演奏すると7色の光が出てスクリーンに映し出される
「色光ピアノ」を開発していましたが最初の公演には間に合わなかったそうです。
現代のコンサートでも音色に合わせて光の演出がされていて、
youtubeでもいくつかの公演動画が見れます。

プロコフィエフ
PROKOFIEFF 1891-1953
プロコフィエフは第一次大戦からスターリン体制のソヴィエト時代、第二次大戦という
波乱の時代を生きた人でした。ロシア革命時にはアメリカへ亡命しており
その旅の途中で2ヶ月ほど日本にも滞在していました。
ニューヨーク滞在時には山田耕筰に出会っていたりもしていて興味深いです。
その後故郷へもどり、
社会主義が隆盛だった時期には機械や労働者といった存在を意識した
音楽も作曲しています。
今回は子どものための音楽をと作曲した《ペーターと狼》を描きました。
登場人物一人に対して一つの楽器が割り当てられて、音楽の教育にもなる曲でした。