武士は食わねど高楊枝

時代物が好きです。
特に、大きな変化のうねりの中で、人々がそれぞれの時代をどう生き延びたかが書かれている読み物が好きです。
幕末の武士は、泰平の世の中にあって戦いが減り幸せなはずなのに仕事が減り生活苦で、プライドとの折り合いをつけるのが大変だっただろうな…と。
そんな世の中での、ある武士を描いてみました。
「熊に侵入され1つ残しておいた串だんごを堂々と食べられているの図」
<心の中>
(なんで熊がここに居る…)
(なんで熊が私のだんごを食べておる…せっかくとって置いたのに…)
しかし、武士なので、だんごを取り返すなんてケチ臭いことはプライドが許しません。

さらに、この熊は兄弟で里に下りてきていて、弟熊が様子を見守っています。
「ボクも食べたいな…お兄ちゃんが大丈夫だからボクも1つもらおうかな…」
と。

1度許すと、熊はまた来るでしょう。
さて、どうするか…。
そんな話をイメージしながら描きました。