『ピアノの本』2023年4-5月 282号
株式会社ヤマハミュージックジャパン様
表紙画を担当しています。
編集 /株式会社SCRコミュニケーションズ
「ブラームス、ワーグナー、コジマとビューロー」

19世紀ロマン主義後半に活躍したワーグナーは
新しい総合芸術としての歌劇を創り出しました。
一方で古典派の流れを推し進めたのがブラームスです。

古典派の流れを新しく推し進めたブラームスは
バッハ、ベートーヴェンと共に「ドイツ3大B」と呼ばれました。

ビューローはベルリン・フィルの礎を築いた指揮者です。
ピアニストでもありました。
彼は最初はワーグナーの演奏を指揮していましたが、その後ブラームスに接近していきます。
また彼の視線の先にいる女性は、超絶技巧のピアニストとして有名な
フランツ・リストを父にもつコジマです。
コジマはリストの弟子のビューローと結婚しましたがうまくいかず、
ワーグナーの元へ去ってしまいます。

ワーグナーは大変な俺様っぷりの人物でしたがコジマは生涯ワーグナーを支えました。
壁にかかっている建物の絵はワーグナーが自分の作品を上演する音楽祭を創設し、
そのために建設したバイロイト祝祭歌劇場です。
ワーグナーの死後はコジマが音楽祭の総監督をつとめました。

一番左にある夫婦の絵は、作曲家のロベルト・シューマンと彼の妻の高名なピアニストのクララです。
二人は『ピアノの本』では281号の表紙に登場しました。
若いブラームスはシューマンに才能を見出されたのですが
そんな尊敬するシューマンの妻であるクララのことを女性としてずっと愛していました。
シューマンが早くに亡くなった後もブラームスはクララをなにかと支えていましたが
この二人は結ばれることはありませんでした。


柴崎早智子
シバサキ サチコいきいきかわいいキャラクター、描きます。
私は子どものころから動物、植物、昆虫などの生き物を観察したり
その生態について知ることが好きでした。
自分とは異なる姿や生きるための知恵は今でも色褪せずに
すごいと感じることばかりです。
それに大人になってからはなじみのなくなった思考や感じ方をする
小さな子ども達もおもしろく、すごいなと思ったりして
そうして彼らをいきいき描きたいなと思ってきました。
今は自分の周囲の子ども達が大きくなっていくのを見て
そしてスピーディーに変化する日本や世界の情勢を観察しながら
彼らが少しでものびのびと生きるには
どんな生きるための知恵があるんだろうと考えたりしています。
彼らの学びや心の豊かさについても考えながら
私の好きな世界をいきいきと描くことに取り組んでいます。
子ども、教育、生活をテーマにした作品を中心に描いています。
ちょっと笑えるようなシチュエーションが好きです。
児童書、雑誌、広告等で活動中です。
プロフィール
1979 栃木県宇都宮生まれ
2007イラストスクールPALETTE CLUB SCHOOL
イラスト基礎Aコース10期修了
2008 イラストレーション青山塾 ドローイング科10期修了
2011 〃 13期修了
2012 〃 14期修了
(2009〜2010年の間には出産と 東京から山形への移住がありました。)
2013 フリーのイラストレーターとして活動開始
賞歴・ HB Gallery File competition vol.23 2012 副田高行さん大賞受賞
個展やグループ展にも開催・参加してきました。
現在は絵本制作にも取り組んでいます。

